古都での暮らしを日記で綴る

女優 吉田羊さんが、京都に住んでやってみたかった8つのこと

古都は気高く、ときとして近寄りがたいと感じたことはありませんか。忙しく通りすがるだけの観光では、そんな町には近寄れません。けれども、住人の視線で立ち止まり、身を委ねてみれば、懐深い町は人をやさしく迎え入れてくれるはず。そこで、京都を愛する女優・吉田 羊さんが京都暮らしを実践。古都に住んでやってみたかったことを日記で綴ります。

京都人気分を満喫する町家ステイ【祇園 金瓢】

7月10日
「かなえたかった夢のひとつは、町家に住んで引き売りのお豆腐を買うこと」
吉田 羊さんがかなえたかった夢のひとつは、こんなふうに町家に住んで、引き売りのお豆腐を買うこと。
出来たてのお豆腐の味、風が通る町家の佇まい、「ほんに暑おすなぁ」から始まる会話……。京都に暮らせば、名所を巡るだけの観光では気づかなかった京都の魅力に出合えるかもしれません。
 
■祇園 金瓢
近年、国内外の客から人気を集めている滞在型の町家。古門前通りに面するここは、築二百年を超す元・造り酒屋をリノベーションし、1泊からのステイに応じています。1階は囲炉裏のある土間、2階は10畳と6畳の部屋があり、最大7名まで宿泊可能。
 
京都市東山区古門前通花見小路東入ル三吉町335
TEL:075-708-5143
料金:1泊40,000円~(1棟あたり)
※曜日と季節ごとに変動。連泊割引あり。
 
■新井とうふ店
父の代からのリヤカーで四条堀川界隈を中心に行商も行う。
出来たての豆腐を夕餉に、なんていう京都の贅沢な日常が味わえます。
 
京都市下京区油小路通高辻下ル麓町626 
TEL:075-351-4709
営業時間:10時30分~19時
休日:日曜・祝日
※木綿豆腐200円。

おいしい一服のため名水を汲みに【下御霊神社】

7月12日
「さっそく京都人になった気分で水を汲み、その場で一杯。やわらかい!」
一杯のお茶を丁寧に淹れる、そんな京都暮らしに憧れていた。だから今朝は、京都御所近くの名水スポット、下御霊神社へ。次々にご近所さんがペットボトルを抱えて水を汲みにきていた。さっそく京都人になった気分で私も水を汲み、その場で一杯。やわらかい!これぞ甘露というものだろう。
 
■下御霊神社
山に囲まれ桂川・鴨川などが流れる京都は、伏流水が湧き出る井泉も多く、名水に恵まれた地。下御霊神社の「御香水」は、枯渇していた井戸を20年ほど前に掘り直し復活させた名水。「くせがなく、まろやか」と、旅行者を含めて水を求める人が絶え間なく訪れます。
 
京都市中京区寺町通丸太町下ル下御霊町657
TEL:075-231-3530

下御霊神社

名水を汲みに行きたい神社

120万冊の蔵書と建物の魅力に惹かれて【京都府立図書館】

7月17日
「書店にはなかった京都の本が読める府立図書館へ」
京都の自慢のひとつが図書館だとか。府立図書館をはじめ、御苑の中には「森の図書館」があり、芝生で漫画が読める「京都国際マンガミュージアム」がある。誰でも閲覧は自由。府立図書館では、書店にはなかった京都の本が読めた。
 
■京都府立図書館
重厚感溢れる明治期の外壁を残し、内部は螺旋階段を中心にした現代的な造りの「知の拠点」、府立図書館。建物も魅力的ですが、京都関係の棚がずらりとあり、蔵書が充実しています。入館や閲覧は誰でも自由。京都府内・隣接府県の方は貸し出しを受けられます。
 
京都市左京区岡崎成勝寺町9
TEL:075-762-4655
開館時間:9時30分~19時(火曜~土曜、日曜、祝日は~17時)
休日:月曜、第4木曜、年末年始、特別整理期間

京都府立図書館

重厚な建築のなかに120万冊の蔵書

3世代で営む昔ながらの粟餅屋さん【粟餅屋・澤屋】

7月25日
「やわやわ、ほっこり。絶品の粟餅は、出来たてがいちばん。」
北野天満宮の縁日「天神さん」は毎月25日だそうで、朝から詣でる。骨董市を覗いてから、ずっと来たかった粟餅屋さんへ。粟餅をひと臼ついては、注文ごとにまるめてくれる。まるでお寿司のようだ! 出来たてを頰張る幸せったらない。あっさりしていて、ぺろりといただいた。12代目、13代目、14代目。いい笑顔が忘れられない。
 
■粟餅所・澤屋(あわもちどころ・さわや)
創業より333年という、北野天満宮の門前にある粟餅ひと筋の老舗。粟餅は作り置きせず、必要な分を少しずつ搗くから、旅人がふらりと立ち寄っても出来たてをいただけます。プチプチとした食感がわずかに残る柔らかな粟の餅に、こしあんときな粉をまぶした菓子は、素朴でいて上品。現在、12代目から3世代で店を支えています。 
 
京都市上京区北野天満宮前西入紙屋川町838―7 
TEL:075-461-4517
営業時間:9時~16時30分・17時(売り切れ次第)
休日:木曜、毎月26日 
※3個450円、5個600円、持ち帰り10個1,200円(すべて税込)

粟餅所・澤屋

天神さん近くの一服処で味わう昔ながらの素朴な和菓子

和花のなげいれを学びに教室に通いたい【花・谷中】

7月28日
「憧れの京都暮らしは、和の花を素敵に生ける術を身につけることから。」
せっかく京都の町家で暮らすのなら、いつも和花がさりげなく飾ってあるような、ゆとりのある豊かな日常を過ごしたい。そこで「なげいれ」の花から学ぼうと、評判の教室兼お花屋さんへ。「難しく考えなくていいんです。たとえば、ひとつの形のなかに、線・点・面を作ると落ち着きますよ」。すっと理解できる教えの言葉だった。
 
■花・谷中
静かな住宅街にある小さなお花屋さん。急激な温度の変化は花を傷めるため保冷庫を使わないそうで、とりどりの和花は杉桶に入って並んでいます。店主は、谷中正道さん。生けこみに出向くことが多く、教室のあるときしか店を開けていないため、開店を確認して訪問を。あるいは教室に通って谷中さん直伝の花あしらいを学んでみては。
 
京都市北区紫野東御所田町3-2
TEL:075-431-7757
教室は、日時応相談。1人約2時間。入会金なし。1回10,000円 (材料諸経費含む)

花・谷中

和花の稽古教室を開いているお花屋さん

奇をてらわない素直な味のおばんざい【余志屋】

8月5日
「賀茂なす、万願寺とうがらし、湯葉、生麩……。日々味わいたくなる、やさしい味のおばんざい。」
思い出の店を訪ねた。以前ご一緒させていただいた映画監督の案内で伺った「余志屋」さん。初めて足を踏み入れた先斗町の雰囲気にドキドキしたものだった。相変わらず料理はおいしいし、ご主人は楽しいし、行きつけにできたらいいな。「うっとこは表に行かんと、ずっとここでやってくから、いつでもいらして」の言葉にしびれる。
 
■余志屋
先代のころから旦那衆に愛され50年余りという先斗町 路地奥にある割烹。「変わったことすると、いらんことせんで、と言われるんです。だから普通のこと、やってるだけ」とご主人。料理は、京都の素材と丁寧に引いた出汁の味を生かしたおばんざいが基本。気配りも素晴らしく、ひとり旅で訪れてもやさしく迎え入れてくれる一軒。
 
京都市中京区先斗町通三条下ル材木町188
TEL:075-221-5115
営業時間:17時~23時(22時30分L.O)
定休日:月曜
※おまかせは8,400円~

余志屋

一度ならず二度、三度と訪れたい味ともてなし

初心者からプロを目指す人まで集う【和裁教室 藤工房】

8月10日
「せっかくきものの聖地に来たのだから、ちょっとした再生が自分でできるように、お針子入門を。」
アンティークのきものが大好きで、着ることを楽しんでいるが、悩ましいのは寸法のこと。柄が気に入っても、丈や裄を出すことが必要なのだ。そこで、せっかくきものの聖地に来たのだから、ちょっとした再生が自分でできるように、お針子入門を。少しの時間でも針を持つと、落ち着く気がして心地よい。だからなのかな、生徒さんも長く通っている人が多いそうだ。
 
■和裁教室 藤工房
仕立ての店を併設する「藤工房」の和裁教室は、一級和裁技能士によるこまやかな指導が受けられる場所。経験がなくても初歩から学べる初級コースや、訪問着の仕立てまで手がける上級コース、さらに和裁士を育成するプロコースまであります。きものが根付いた京都での和裁修業は、学ぶことを通して日本文化を学べると好評。
 
京都市中京区六角通室町東入ル骨屋町142-1
TEL:075-212-0732
※初級コースの場合、毎月入学随時受け付け。
入学金11,000円、授業料 半日週1回コース8,000円~

和裁教室 藤工房

初心者からプロを目指す人まで集う和裁教室

五山送り火の日は、大文字山を望む場所へ【白沙村荘橋本関雪記念館】

8月16日
「幻想的な灯火は、ご先祖様を浄土に送るかがり火と知って、静かに祈る思いに。」
本日は五山の送り火。祇園祭とともに京都の夏を代表する風物詩だ。大文字山を望む「白沙村荘」の邸宅や庭を巡ってみた。この家では、盃のお酒に「大」の字を映されるそうで、なんて風流なんだろう。そして、幻想的な灯火は、ご先祖様を浄土に送るかがり火と知って、静かに祈る思いになった。
 
■白沙村荘 橋本間雪記念館
大正・昭和にかけて活躍した日本画家・橋本関雪が「画を描くことと一如不二のこと」として、30年をかけて大文字山を借景に造営した「白沙村荘」。庭園の池は、大の文字を逆さに映すことでも知られています。昨年9月には、美術館の新館がオープン。2階のテラスからも大の字を望むことができます。写真は画室「存古楼」にて。
 
京都市左京区浄土寺石橋町37
TEL:075―751―0446
営業時間:10時~17時 
無休
入場料:通常1,000円

2015年07月29日掲載

撮影/森山 雅智 ヘア&メイク/岩本みちる スタイリング/梅山弘子 着付け/山﨑真紀 2015年07月29日掲載

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