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400年の歴史を誇る宇治の窯元「朝日焼」。 お茶と器の楽しみ方を伝える新ショップ&ギャラリー

朝日焼 外観

宇治川の水辺に建つ新店舗。ハーブや野草がそよぐ前庭を通って入る店内は、
ひとつの茶室のようであり、川に浮かぶ一艘の舟のようでもある。

 
平安時代に貴族の別荘地として栄え、源氏物語の舞台として、また、抹茶や玉露などの茶どころとしても名高い山紫水明の地、宇治。この地で400年続く陶磁器の窯元「朝日焼」が、2017年7月、宇治川のほとりにショップを移転しリニューアルオープンしました。
 

まずは、お茶を楽しむことから伝えていく。次世代を担う窯元の兄弟が発信。

 
江戸初期に、宇治・朝日山の麓で開窯した朝日焼は、「綺麗さび」を確立した茶人・小堀遠州の指導を受けたと伝わる”遠州七窯”のひとつ。2016年に十五世長男の松林佑典さんが十六世豊斎を襲名したことを機に、新たなショップ&ギャラリーを立ち上げました。

 
 

十六世松林豊斎さん 松林俊幸さん

十六世松林豊斎さん(左)と、新店舗のイベント企画も務める弟の松林俊幸さん(右)。
二人三脚で、歴史ある窯元を支えていく。

 
コンセプトは、「お茶への想いを育む空間」。「宇治茶のための茶陶を手がけてきた『朝日焼』ならではの、新しいアイデアやスタイルを提案したい」と、十六世の松林豊斎さん。工房ブランドの気軽な茶器が揃うショップをはじめ、イベントスペース、展示ギャラリーも併設しており、丁寧にお茶を淹れること、好きな器やお菓子を選んで相手をもてなすことの楽しみを気付かせてくれる空間です。
 

空間デザイン

空間デザインは、京都とミラノを拠点に活躍する「Sfera」の
クリエイティブ・ディレクター 眞城成男さんが担当。
和の趣を活かしながら、グローバルな感性を刺激する空間に。

 

カップ&ソーサー モーニングカップ

右/Sferaデザインの「朝日焼」のカップアンドソーサー10,368円。
左・中/2017年の新作。樫灰釉モーニングカップ5,400円、一輪挿し4,320円。

 
平屋の日本家屋をリノベーションした店内の、壁一面の窓に広がるのは自然豊かな宇治川の風景です。テラスに出れば、じつに川のせせらぎが耳に届くほど! 「このロケーションにも理由があるんです」と話すのは、当代の弟で新店舗を率いるブランドマネージャーの松林俊幸さん。「宇治茶が宇治川の朝霧によって甘みを増すように、「朝日焼」もまた、宇治川によって運ばれた土が何千年も蓄積された陶土から作られるもの。古くは王朝文学、そして宇治茶や茶陶にも恩恵をもたらした宇治川の恵み。土地の文化や美意識を育んできた源を、より身近に感じてもらえれば」と話します。
 

店内

イベントスペース、ギャラリー、茶室がゆるやかにつながる店内。

 

ウッドデッキ

ウッドデッキのテラスから朝霧橋をのぞむ。世界遺産・平等院は川を隔てた向こう岸。

 

茶室

明るい光が降り注ぐ三畳台目の茶室は、「光のホワイトキューブをイメージしました」と当代。
床柱の位置を下げ、陶土を壁に練り込むなどの工夫を凝らしながら、現代の綺麗さびを表現。

 

「遠州好み」を現代流に解釈し、ガラスの出窓や天井の真っ白な和紙で陽光を取り込んだ明るい茶室は、みずみずしい感性が宿る当代らしい趣です。今後は、お茶の淹れ方のワークショップや野点のイベントなども開催されるそう。連綿と紡がれてきた窯元の伝統を、「いま」というフィルターを通して次の世代へ。若き兄弟の挑戦から目が離せません。
 

急須の手習い

宇治茶で楽しむ「急須の手習い」ワークショップも開催予定。
煎茶器は150年前から作り続けてきた「宝瓶(ほうひん)」。

 

インスタレーション 御菓子丸 朝日焼工房

ギャラリーのオープニング展では、「御菓子丸」杉山早陽子さんが手がける和菓子と
朝日焼工房の新作によるインスタレーションが発表された。

 

 
■朝日焼 shop & gallery
 
住所:京都府宇治市宇治又振68
TEL:0774-23-2511
営業時間:10:00〜17:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、毎月最終火曜日
 
◎公式HPはこちら 

 
 
 
撮影=高嶋克郎、取材・文=山口紀子

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